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                    ショーンシャンクの空に
                  オールドボーイ
                  ブレイキングニュース
 三夜連続映画鑑賞の代償は見終わった後も眠れないほど、空想の喜びに苛まれるということだった。このことが悪いというのではなく、その日出勤しなきゃいけないのに十分な睡眠時間が取れないのが辛いというのがね…。
 今回の三作品は予備知識で面白い映画であるとは知ってたが、姫が『ショーシャンク』はラストにぐっときた、と言ってたので共通の話題を持つのもいいなってことで見てみることにした。ついでに前から見たかったパク・チャヌク復讐シリーズ『オールドボーイ』(原作読破済み)と、ジョニー・トゥ監督ってのと『インファナルアフェア』以降マイ・ベスト女優ケリー・チャン主演の最近ようやく7泊8日になった『ブレイキングニュース』を借りた。

 ここんとこ遠ざかってるアメリカ映画。
 ここ数年強烈な印象を残す韓国映画。
 昔から大好きだった香港映画。
 
 いよいよ電影拳も本格的になってきたな…中途半端な映画オタクが語れるところまで語ってやるぜ!
 一応、映画という趣味は釣りや格闘技より長いしな。

ショーンシャンクの空に

 最近はよっぽど強烈な動機が無ければメジャーなアメリカ映画は見る気もしないしティム・ロビンス、モーガン・フリーマンというキャスティングではいかにもそそられないのだが、我が思い姫の勧めと、スティーブン・キング原作ということもあり、この際見てみることにした。
 看守の現場主任に『スターシップ・トゥルーパーズ』のズィム教官や、端役看守で『ER』のロケット・ロマノ出た辺りから、鑑賞に力が入る。
 「そこな新入りの懲役やろう、しかと聞け。聖旨により囚人はまず殺威棒一百をちょうだいするのがさだめじゃ。ものどもこやつをとりおさえてねじ伏せい。」
 水滸伝なら賄賂さえ撒いておけば「私、道中で患った病が本復しておりません。」で、預かりとなるところだが、ここはリタ・ヘイワースがセックスシンボルだった頃のメリケンでのこととてそうはいかない。
 お定まりの虐待やオカマ掘られたりとそりゃもう辛い日々。
 おまけに主人公は無実の罪で終身刑の身。元銀行員のインテリときたもんだ。
 恵まれない大人であるオレからすれば「そりゃ難儀なこった」で済むシチュエーションである。
 しかしティムおじさんは頑張った。
 生き残りの術を身につけ、暗闘に身をやつし続けた。
 かくかくしかじかにして、ムショ仲間の信頼を得、かくかくしかじかにして刑務官たちに融通が利くよう事を運び、やがて妻殺しの犯人を見つけ…ここまで10年以上もかかっている…いよいよクライマックスか?と思いきや、所長の奸計に加担していたために、真実の追及と自由への道は虚しく消え去る。
 しかし、ティムおじさんは諦めていなかった。
 希望を胸に暗闘の日々。更に10年。
 

 いかにもなハッピーエンド。アメリカ映画だよな〜ってとこではあるが、この作品では、この絵に描いたようなハッピーエンドでもなければあまりにも辛い話だからしょうがねえか。
 先日見た『グリーンフィッシュ』が苦いラストだったこともあり、こういうラストもたまにはいいだろう。
 

 キング作品は好きで『バトルランナー』『スタンド・バイ・ミー』『it』あたりが好きだったが、これ一番クオリティ高いかも、と思ったりもする.
 まあ、面白さ、味というのはこれまでの経験や置かれてる状況で結構変わるものかもしれないな。
 10年前の自分、10年後の自分が見たらどうなのだろうか…今現在は面白かったが。
 例えば、今の自分が置かれた状況が進展したら、あの『タクシードライバー』でさえも、あと一年もすれば感じなくなるかも、という危惧さえある。
 しかし電影拳師範としてはDT(みうらじゅん造語)魂は忘れないでいたい!

オールドボーイ

 「恐ろしい映画やで」と井筒監督は言った。
 彼のキャラクターは面白いが、映画評はそんなに信用してない。映画を楽しむ幅の狭いオッサンという印象だ。他人のことは言えたものじゃないが、そんなとこ。
 漫画原作ということもあり、公開当時、無い金の中から何とかやりくりし原作を読んでいた。
 描写の中に、いかにも狩舞麻礼だな〜、という臭いがちらついてたが、金出して読むだけの漫画にはなってるな、という内容だった。
 井筒のおっちゃんが言った「恐ろしい」とはどういうことなのか?ずっと気になったままほったらかしになっていた。


 やっと見た。
 暴力シーンと女優の脱ぎっぷり、センズリこくチェ・ミンシクのアホ面とか楽しめる描写はふんだんに盛り込まれている。
 バトルシーンはかなり説得力あるよ。韓国映画は人をぶっ叩く音がリアルだ。などと、途中までは娯楽として楽しんでいた。
 何故、主人公が監禁されなければいけなかったのか、についても漫画読んでたから、さほど興味のあるテーマではなかった。
 「恐さ」といって、女子供が眉をひそめるエゲつないバイオレンスが繰り広げられることを期待していた。
 しかし!物語が進むにつれ魅力的なバイオレンス描写やミド(カン・ヘジョン可愛いっす!)の脱ぎっぷりや可愛さでさえでも打ち消せない暗い復讐の構図が展開し、原作とはまったく違う質のものになっていた。
 “何故恨まれたのか”その謎が明かされた時に来る衝撃はおぞましく、残酷すぎた。
 生理的に無理なシチュエーションとでも言うべきか。
 最も辛い拷問とでも言うべきか。
 で、だ。自分の娘をそれと知らずに姦っちゃたらどうします?そして娘は父親とも知らず、男としての自分を愛しているとしたら…。
 しかも、それは敵の仕組んだ巧妙なワナによって…復讐を遂げて行ってるつもりが、実はそのワナに導かれているという、復讐のシナリオの中で躍らせられての結果だったのだ。
 かくして復讐の仕掛け人、ウジンは思い通りの復讐を遂げ、オ・デスは許しを乞うために自らの舌を切り、心に深い傷を負い、それでも肉体は生きている。
 主人公のオ・デスは本当に不幸な人生を送ったことになる。ミドは真実を知らずに済んだことが救い…に、なるわきゃねえだろ!と独りで画面に突っ込む。
 後味わりぃ〜。
 

 なるほど、作品賞を受賞し、タラ(クエンティン・タランティーノ)が熱狂するわけだ。それだけの技巧や意気込みは見て取れる。
 明らかに『キル・ビル』でパクったと思われるシーンもあったしね。


 「まあ、アメリカなんかだと、自分の子供に対する性的虐待が当たり前っぽいから最後のチェ・ミンシクの表情の妙味は意味わからないんだろうなあ」と、ふと思った。
 まさか原作をここまで凄まじいものにするとは。パク・チャヌクおそるべしである。
 こりゃ『パク・チャヌク復讐三部作』コンプリートせねばなるまいて。


 結論としては、リアル変態の復讐はこんなにも恐ろしい、という作品だった。
 井筒監督、あなたの言ったことは正しかったです。
 今度『パッチギ』見ますんでご勘弁たまわりますよう。
 

ブレイキングニュース

 
 三連発の締めは、すかっといきたいと思って鑑賞最後にこれをもってきたのは正解だった。
 『インファナルアフェア』と違ってケリー・チャンは嫌な感じの女だったが、痛快でカッコよくて悲劇さえも美しく、まさに快作。
 やっぱり味わいながら楽しめる映画を作らせたら香港映画が一番だな…と感慨もひとしお。
 アメリカ映画がつまらなくなり、韓国映画やタイ映画が猛威を振るう近頃、香港映画界の意地と底力を見せ付けられる作品が増えてきた。
 アジア映画はその作品レベルに於いて既にアメリカ映画を超えている。
 イマドキ・アメリカ映画にも秀作はあろうが、オレのアンテナに引っかかるところまで出てこないのはいかにも残念である。
 『ランド・オブ・ザ・デッド』で肩透かしを食らった今、見てみたいのは『マーダー・ライドショー』『デビルズ・リジェクツ』『キャビンフィーバー』『ヒストリー・オブ・バイオレンス』ぐらいだ。
 まあ、この手の作品は一般には評価されないんだろうが、とにかくオレが求めるのはこういったパンチの効いてるであろう作品である。
 

 本題に入ろう。
 同監督作品『P.T.U』の大好評を受け、借りるに至った本作品。
 まったく大したハッタリである。
 強盗団を追う警察が取った対策自体「ありえねえ」と思える一大キャンペーンではあるが、大陸のやつらは何しでかすか(何か今回は外国に対する偏見発言が多いな…)わからないスケールの大きさを持ってるから、アリといえばアリだ。映画なんだからいいとしましょう。
 この部分さえ受け入れられれば、スリリングかつ激烈な警察と強盗&殺し屋の攻防が楽しめる。
 メインは犯罪者対警察なので、ハイライトとなるのは銃撃戦だが、強盗と殺し屋と人質の間に描かれたさりげないドラマ(この、さりげなさってのはドラマ描写に於いて重要なことだとオレは思っている)に男泣きのエッセンスが含まれていた。


 幼友達のだいちゃんに似た、いかにも高卒ボンクラで正義感だけ頭一つ抜き出てしまったような刑事。
 岸谷五朗似の強盗団リーダー。
 強盗事件に巻き込まれてしまった、中国本土から出稼ぎに来ている殺し屋オヤジ。
 この魅力的なキャラクターが、エリート官僚の仕組んだ人をバカにしたようなシナリオの中で踊らされるのである。
 人を人とも思わぬ世の中のありようを娯楽の形を利用して皮肉っているような気がしないでもない。
 ケリー・チャンやサイモン・ヤンのような美形を嫌味な役どころに据え、泥臭いルックスの俳優が感情移入できるポジションにキャステキングされているのはジョニー・トゥの狙いなのかもしれない。
 岸谷五朗と人質オヤジの警察を相手取った攻防は、見応えというより、法や秩序、国家のあり方について考えずにはいられないドラゴン的クライマックスだ。
 などと言いながら、本質は純然たるエンターテイメントであり、シーンを捉えてはいちいち行間(映像作品の場合も“行間”という表現でいいのだろうか?)を読みたがるのはオレの性なのであしからず。

 
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