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止まらない水滸伝世界

 2005年9月の末に、我が道の師匠がヨーロッパ文学に傾倒して行く様を見て、ならばこちらは中国文学で対抗してやろう…程度の感覚で手にした水滸伝。
 しかし、2006年10月現在、オレにとっては聖書の何十倍も価値のある書となっていた。
 合間、関連のあれこれを求めてきた。
 この小国日本にあっては『三国志』ほどメジャーじゃないってのもまた良い。
 ちなみに当初は水滸伝をかじって三国志を…なんて考えてたのだが、今や三国志はどうでもよくなっている。
 そんなオレの水滸伝フェチぶりは止まることを知らず、ついにはショウブラザーズ制作のこんなものを見つけるに至った。 オープニングのスタッフ紹介中に呉宇森の名前を発見。思わずニヤリである。

 ネバー・エンディングな水滸伝ラブ、しばしお付き合いいただきたく早漏

 梁山泊繁栄の礎を築いた人。男が憧れるべき男。
 稀代の英傑。
 東渓村の名主であった、武芸をたしなみ、財よりも義を重んじる好漢たちの兄貴分的存在。
 原典でも北方版でもとことんかっこよかった。
 映画本編では晁天王殺害後のエピソードを描いているため晁天皇が史文恭に殺されるところから始まる。


日本語読み:たくとうてんおう・ちょうがい
 能無しの役立たず、を絵に描いたような人。
 それでも偶然、晁蓋の危機を救った功を立てた、梁山泊繁栄の大恩人ではある。
 窮地に陥れば、泣いて助命を請い、優位に立てば勇猛な仲間の威を借りて大威張り。
 「誰かこやつを斬り捨てんか」と鞭を一振りで花栄が、林冲が前線へ飛び出すのだ。
 こんな男にはなりたくない、と思った。


日本語読み:こほうぎ、または、きゅうじう・そうこう
 先日、大霊界へと旅立った丹波さん。こんなところで仕事してたんですね。
 しかも梁山泊第二位の副首領。
 棍棒をとっては天下一、河北の玉麒麟なんて美味しい役どころ。
 ただ、嫁さんに裏切られたのは自業自得だぞ。オレだったらそんなことしないけどね。
 やっぱ富豪のすることは庶民には理解できないんだな。


日本語読み:ぎょくきりん・ろしゅんぎ
 元は晁蓋の村で寺子屋の先生をしていた人。
 梁山泊の頭脳ともいえる人で本編でも、原典でも、北方版でも活躍の場は多い。
 また、武芸の心得は無いが、度胸も据わっていて体を張って戦に出ることも。
 梁山泊のソフト面はこの人が築いたといってもいいだろう。
 智多星の棹号は伊達ではなかった。


日本語読み:ちたせいごよう

 戦隊モノで言うところのレッド的存在といっても過言ではないだろう。
 万夫不当の勇を顕し、よく蛇矛を使い多くの功績を挙げた梁山泊きっての英傑。
 おそらく騎乗でこの人に勝てる者はいないのではないだろうか?


日本語読み:ひょうしとう・りんちゅう
 原典では非常に納得いかない形で梁山泊入りした秦明将軍。
 花栄の上司に当たる人だが映画版では花栄より若く見えるのはなんとも…。
 得物である狼牙棍はオレの想像より洗練された武器だった。


日本語読み:へきれきか・しんめい
 原典では八面六臂の活躍をする青州副知寨。
 神箭将軍と謳われるほどの弓の名手ではあるが、本編では格別の活躍も描かれずまことに残念であった。


日本語読み:しょうりこう・かえい
 宋江と同じ県の騎兵隊隊長であった人。
 顔は棗のようで、髯は腰の辺りまであり、関羽のような風貌であったという。晁天王、宋江ともゆかりの深い人物ではあるが、本編ではこれまた格別の活躍もなくまことに残念である。


日本語読み:びぜんこう・しゅどう


 朱仝といえば雷横というぐらいのものだが、やはり本編では格別の活躍もなく、ただ名前が出てきたという感じだ。
 北方版では宋江に剣を教えたり、宋江を守るために単騎三四百の官軍と闘ったりと、壮絶な活躍を見せた。


日本語読み:そうしこ・らいおう
 黒旋風とあだ名される道場の中国時代劇好きの若いやつに原典を貸したら「魯智深はとんでもないやつですね」と返ってきた。原典では乱暴な破戒坊主だったが、北方版では梁山泊のオルガナイザーだった。

日本語読み:かおしょう・ろちしん
 バカでますっぐで、多分知恵遅れなんだと思う。
 原典でも、北方版でもバカだけど腕っ節だけは異常に強い、愛すべきキャラとして描かれていた。

日本語読み:こくせんぷう・りき
 梁山泊設立の重要なキャラではあるが後半は影が薄い。
 おそらくスラブ民族とかイスラム圏の血が混じっていると思われる。
 原典では雷横をもしのぐほどの遣い手として登場した。


日本語読み:せきはつき・りゅうとう


 太宗皇帝の血を引く高貴の者。丹書鉄券なるものを持つ彼には役人も手を出せないのだ。
 しかし、高イ求太尉の威を借る成り上がり者に呆気なく蹂躙され梁山泊好漢たちに助けられる。


日本語読み:しょうせんぷう・さいしん
 神行の術を使い、日に八百里(約400km)も歩ける。
 Xメンでいうところのクイックシルバーともいえる。
 梁山泊軍の快進撃には彼の情報収集力の支えがあったということは想像に難くない。


日本語読み:しんこうたいほう・たいそう
 映画版ではぱっとしないオヤジだが、原典では石秀とともに前半のハイライト『祝家荘戦』の仕掛け人でもある。
 地味で不器用なかっこよさを感じる好漢の一人。


日本語読み:びょうかんさく・ようゆう
 慎重な楊雄に対し、向こう見ずな弟分。綽号の「ガムシャラな三男坊」が示す通り、映画でも存分にそのキャラクターを発揮できていた。
 向こう見ずだが頭は良さそうだ。

日本語読み:へんめいさんろう・せきしゅう

 全120回からなる水滸伝のうち10回も主役に据えられる重要な登場人物。
 それほど重要なキャラだから当時デビッド・チャンと人気を二分したティ・ロンが当てられるのも納得できるというもの。


日本語読み:ぎょうじゃ・ぶしょう
 いわゆるヤクザの親分。
 流刑の旅の途上にあった宋江を殺しかけた。
 操船と泳ぎが巧みで、闇塩を扱う商売をしていた。
 北方版水滸伝のベースはこのくだりから発生したといわれている。


日本語読み:せんかじ・ちょうおう
 張横の弟。
 七日七晩水に潜ってられるといわれるほど水練のたしなみがある。
 あの黒旋風も水に引き込まれ半殺しにされた。


日本語読み:ろうりはくちょう・ちょうじゅん
 108好漢のうち、いちばん初めに登場する好漢。金持ちの武芸好きなバカ息子だったが、高イ求ににくまれた為、都にいられなくなった禁軍武術師範・王進との出会いから108人の兄弟の運命が走り始める。


日本語読み:くもんりゅう・ししん

 梁山泊きっての美貌の戦士。映画でも活躍した。
 王英との結婚は原典でも、北方版でも納得いかないかたちとなっている。
 これも星のさだめなのだろうか。


日本語読み:いちじょうせい・こさんじょう
 好色絶倫のチビの醜男、としか思えないようなヤツなのだが、宋江のはからいによって扈三娘を娶る果報者。
 映画版では落ち着いたダンナぶりだったが…。


日本語読み:わいきゃくこ・おうえい
 映画版ではどっちが蔡福かよくわからなかった。頭に花を挿しているのが弟の蔡慶なのだがはっきりしたことはわからなかった。
 蘆俊義入寨のエピソードでもなければ登場できなかっただろうってぐらい地味なキャラ。


日本語読み:てっぴはく・さいふく
 兄の蔡福は格別の手柄もなく叛乱鎮圧の出征で命を落とすが、蔡慶の方は梁山泊軍解体後も生き残り「水滸後伝」でシャム国で栄華に服する。
 北方版の最大の美点はこういう末席のキャラにもスポットライトを浴びせたことであろう。


日本語読み:いっしか・さいけい

 梁山泊のマルチプレイヤー。美男子で歌舞音曲に通じ、一を聞いて十を知る頭の良さに加え、武芸にも深く通じてるなんてあんまりじゃねえか!
 皇帝が寵愛する遊妓、李師師も惚れるほどという。
 そんな色男を演じたデビッド・チャンもオッサンになったら冴えない三沢光晴って感じになってた。


日本語読み:ろうし・えんせい
 ウー・マ(午馬)の名を見ると「やっぱ映画は香港だよな」と、安堵感に覆われる。
 原典でも、北方版でも大活躍の末席の兄弟、時遷だが、こういう渋い役どころには午馬が適役だろう。
 いい味出してる人情家のオジサン役もいいが、かっこいい役もこなせるのがいい。


日本語読み:こじょうそう・じせん
 晁天王を暗殺した憎むべき敵。武芸の腕前は梁山泊のトップクラスをしても勝てるかどうかといわれるほどで、史文恭がいたために曾家は梁山泊を平らげようという気になったのだ。
 祝家、曾家と二つの強敵を破りやがて梁山泊軍は、はぐれものの山賊集団から宋国平定の尖兵となっていく。


日本語読み:しぶんきょう

 映画的には散漫な印象を受ける。
 どうやらショウブラザーズのオールスター映画だったようで、それでこの程度の出来にしかならなかったんですね。せめて、天こう星三十六員は全員出して欲しかった。
 

 2007年半ばの今も、相変わらず水滸伝を愛読している。現在は北方謙三版3周目というところ。
 気付いたら水滸伝好漢解説のサイトが消えていた。
 このこともあり、水滸伝に関しては今後も自分なりのガイドテキストを創ろう思っている。


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